研究概要Research

薬物治療の標的分子を解明し、
病気の治療やQOLの
改善を目指します。

 私たちの研究室では、薬を使った病気の治療(薬物治療)を適切に行うための研究を行っています。病気や薬の効果・副作用などによって変化する体内の物質、すなわち薬物治療や健康のバロメータ(バイオマーカーと呼ばれます)になる物質をメタボロミクスという技術を使って探索しています(図の①~②)。見つけられた物質は、病気や薬の効果・副作用と何らかの関係があるはずですので、その物質や薬自身の体内動態を解析することで、病気や薬の効果・副作用とどのように関係するか、そのメカニズムを解明します(図の②)。メカニズムの解明には、主に、細胞や動物を使うので、ヒト(健常人や患者)との違いを埋めるために、薬やバイオマーカーの体内動態を記述する数理モデルを用いることがあります(図の②)。
 研究対象として、「がん」と「認知機能」の研究に精力的に取り組んでいます。がん治療のため、抗がん薬の体内動態を解明し、バイオマーカーを見つけ、副作用に関わるメカニズムを解明することで、医薬品を使った安全な治療に貢献する研究を進めています(図の②~③)。認知機能改善のため、食品由来成分をメタボロームで解析し、神経新生や神経成熟に働く物質を見出し、病気の予防や治療につなげる研究も進めています(図の②~③)。